MyStrings019:脳の等価原理仮説(1170文字、ランクB)

最近、「誰の脳もポテンシャルはほとんど同じなんじゃないか」ということを考えています。略して、"脳の等価原理仮説"。

こんなことを書くと、反論として、「そんなわけないだろう、例えば遺伝的に記憶力が良い人と悪い人っているじゃん」と言われそうですけど、それは俺の"脳の等価原理仮説"によればこういうことになるんです。「誰の脳にも、"一度見たら忘れない"くらいの記憶する回路はある。ただ、記憶力が良い人の脳はその回路が70%程発現しているのに対して、悪い人は30%程しか発現していない、つまり遺伝的に記憶力が良い人っていうのは、あらかじめ回路が発現してる人のことを言う。」と。

もう少しわかりやすく言いましょう。例えば、俺、ナスの漬物が嫌いなんですよ。嫌いというか、どうしても美味いと思えないんですが。でも、世の中にはナスの漬物が大好きな人もいるわけですよね。この差って、"脳の等価原理仮説"を用いると、ナスの漬物を美味いと思う回路が発現してるかどうかの差だと思うんです。つまり、俺がナスの漬物を美味いと思えないのは、ただ回路が発現していないからなだけで、本当はナスの漬物が好きなはずだと。

まあ、この仮説はおそらく反証不可能なので、皆さんは「そう言われるとそうかもな」なんて思ったかもしれませんが、もしこれが本当だとするとかなり大変なことなんですよ。だって、もし、全世界の人間の脳が"ほぼ"等価だとするならば、どんな犯罪者の回路も、どんな天才の回路も、あなたの脳の中に潜んでることになるわけですからね。言い方を変えると、全ての人がアインシュタインにもヒトラーにもなりうるわけです。

ただし、等価なのは脳だけですから、これに体が関係してくるとそうもいかなくなります。身体による制約ってやつです。例えば、一流のスポーツ選手の脳回路なんていうのは、その人の鍛えられた体があってこそ発現した回路ですから、それは他の人が発現することはないわけですよ。だから、才能や個性というのは本来は身体性の話であると思うんですが。

話を戻しまして、この仮説によって俺が一番言いたいことって言うのは、"マイノリティこそ宝の山"ってことなんです。つまりどういうことかというと、例えば、この世の中で俺だけが良いと思っているものがあるとしますよね。でも、それを迂闊に周りに薦めるとまず批判をくらうと思うんですよ、"俺だけ"が良いと思っているものですから。「そんなのはダメに決まってるだろう、良いと思ってるのはこの世でオマエだけだよ」なんて言われるんじゃないでしょうか。でも、"脳の等価原理仮説"からすれば、俺が良いと思ってるならば、この世の全ての人もそれを良いと思える回路を内蔵してるわけですよ。ということは、もし俺が他の人の回路を発現させられれば、俺はパイオニアになれるというわけです。