MyStrings020:オレ、勇者になる!(2929文字、ランクS)

2008年の目標は、「オレ、勇者になる!」にしました。その理由を書いて、MyStringsのとりあえずの最終回にしたいと思います。
まず、「勇者とは何か」ということについてですけど、俺にとっての勇者は、子供の頃に読んだ漫画の主人公達のことであり、その中で最も典型的な具体例が、ドラゴンボールの主人公である孫悟空なわけです。そして、悟空は典型的であるだけなく、俺にとっては最も憧れている主人公でもあります。では、なぜ俺は悟空を勇者だと思っているのか、ということを考えるために、悟空が持っている勇者の要素を1つずつ上げていきたいと思います。

ドラゴンボールの主題歌の歌詞に、「この世はでっかい宝島 そうさ今こそアドベンチャー」というフレーズがあって、悟空は作中、この歌詞の通りに世界中を(時には宇宙も)冒険するわけです。でも、じゃあ実際に、悟空に憧れている俺がこの現実世界において、単身&手ぶらで世界中を冒険できるかと言えば、そんな勇気はこれっぽっちも無いわけですよ。それはなんでなんだ、と。なぜ悟空にはできて、俺にはできないんだ、と、そう思うじゃないですか。いや、もちろん、その理由の1つとして考えられるのは、単に性格の問題ってのもあるでしょう。俺より悟空の方が圧倒的に度胸が据わってるというような。しかし、それ以前の問題として、サバイバル能力の有無があると思うんです。つまり、悟空が冒険できるのは、いざとなれば行った先で食料を調達し、生きていく自信があるからじゃないかと。もし俺が、アフリカとかに行っても、その辺の動物を捕まえて食っていけるとしたら、別にアフリカに行くのを怖いとは思わないはずでしょう?ということはどういうことかというと、もし俺が悟空のような勇者になりたいのならば、サバイバル能力を身につけなきゃいけないということですよ。そして、今のこの現代における現実的なサバイバル能力と言えば、直接食料を調達することではなく、食料を買うカネを稼ぐことだろうと。「じゃあ結局、就職することじゃないか」と思われるかもしれませんが、それはちょっとニュアンスが違うと思うんですよね。冒険をするってことは、いろんな場所に行くということであって、その行った先々でカネを稼ぐには、単一の方法ではダメかもしれないじゃないですか。自分の中にいろんな引き出しを持ってて、その行った先に合わせた引き出しを使わなきゃいけない。それは言いかえれば、引き出しを増やせば増やすほど行ける場所が増えるということです。そしてもちろん、その引き出しに入ってるものがショボかったらどうしようもないので、ある程度以上の状態を保たなくてはいけない。つまり、冒険しようと思ったら勤勉にならざるを得ないということですよ。と言うと、まるで一か所で働いている人が勤勉ではないと言ってるように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。一か所で勤勉に働いている人のことをスペシャリストと呼ぶのでしょう?ただ俺は、そのスペシャリストというものにはどうも向いていないようだから、それとは違うベクトルに向かおうとして考えた結果が、「オレ、勇者になる!」なわけなのです。

  • いかなる時も100%楽しい

思えば、悟空ほど勤勉な人間はいませんよね。だって、死んであの世に行ってまでも修行してるんですから。でもおそらく、悟空は「俺は真面目に生きてるから偉いぜ」みたいなことは考えてないと思うんですよ。あと、「仕事で溜まったストレスを遊びで解消しよう」っていう発想もない。悟空はきっと、「好きなことをやってるだけなんだから、別に真面目だとも思わねーし、ストレスなんてのもねーよ」って言うと思うんですが、これが俺の理想形なわけです。例えば、俺は今学生なので、1日10時間勉強したとしましょう。そうしたら、「やったー!俺、今日スゲー頑張ったから、自分にご褒美としてウイスキーでも飲もう!」とか思うわけでじゃないですか。これをやめたいんですよね。それってつまり、暗黙のうちに、「勉強よりウイスキーを飲むことの方が楽しい」と思ってるってことでしょう?そうじゃなくて、勉強してる時も、ウイスキー飲んでる時も、寝てる時も、起きてる時も、100%楽しいという状態にしたいんです。もし、「なぜ生きてるの?」って聞かれたら、「生きるのが楽しくて楽しくてしょうがないから」と答えたい。もっと言えば、悟空のように、死んだ後でもそうでありたいんです。(ああ、100%楽しんでいるかどうかは、「死んだ後でもそれを続けていられるかどうか」という質問で判別できるかもしれません。)

  • ひたすら明るい

これが俺にとっては一番難しくて、しかし、悟空を含めた勇者にとっては最も重要な要素だと思うんですが、とにかく明るいですよね。ポジティヴシンキングというか、そもそもネガティヴな感情が無いんじゃないかというくらい明るい。だから勇者なんですよ。どんな状況においても、あの明るさで周りの人へ勇気とmotivationを振り撒けるから。で、おそらくそれができるのは、サバイバルできる実力があって、人生を100%楽しんでいるからだとは思うんですが、それとは別の次元で必要な精神があると思うんです。それは、"肯定する精神"。つまり、今の俺が持ってる、"とにかく否定したくなる精神"をなんとかしなきゃいけないわけですよ。いや、それは世の中から否定する精神が無くなればいいと思ってるわけではなくて、「オレ、勇者になる!」と思った俺だからこそなんとかしなきゃいけないわけなのです。そこで、とても参考となるのが、俺が去年知った"シリコンバレーの精神"ってやつです。と、ここで、最近シリコンバレーから日本に戻られた、はてなの近藤社長のブログを引用します。

僕がアメリカで英語サービスを作ってみたいんだ、と話すと、「そりゃなんて素晴らしい挑戦なんだ!応援するよ。Junyaなら絶対うまくやるよ!」とこちらが驚くくらいの勢いで励ましてくれる。まだ形すら存在しないものを、なぜそれほどまでに肯定できるのかと自分でも思うほどの言葉をたくさんの人に頂いた。その言葉に何度助けられたか分からない。

シリコンバレーには、こういう明るさがシャワーのように降り注いでいる。冷たい水を浴びると、どれだけ勢いのある人でも体が動かなくなってしまうだろう。温かいシャワーを浴び続けてようやく、新しい芽が育つ。そういうことが分かっているからなのか、あるいは半年以上晴れっぱなしの陽気な気候のせいなのか分からないけれど、とにかくみんなフレンドリーだ。

考えてみれば、シリコンバレーは勇者の集まりなのかもしれませんね。
ところで、"否定する精神"を"肯定する精神"にするアイデアがありまして、それが、「否定したい対象の逆を肯定してやればいいじゃん」ってことなんです。例えばですけど、「日本ではなんでもかんでも否定されるからダメだ」って言いたくなったとしたら、その言葉をグッと抑え込み、「シリコンバレーではなんでもかんでも肯定されるから素晴らしいんだよ!」という言葉に変換して言えばいいんですよ。その方が気持ちいいじゃないですか、否定的な文を並べるより。

  • 最後に

最後までこんな文章を読んで頂き、どうもありがとうございます。おそらく、「なんて幼稚なんだ」と思われた方が多いかと思いますが、もうそれはいいんですよ。「ガキだ」とか、「変だ」とか、「悩みがなさそう」とか、そういうのは全部ほめ言葉として受け入れることにしましたから。イチローが敵地で浴びるブーイングみたいなものだと。というか、「こんなバカでも立派に生きていけることを証明してやろう」と最近は思ってます。それよりも、もっとバカになることを考えなきゃいけないでしょうね。空気が読めないことを恐れてちゃダメですよ。空気ばかり読んでたらバカにはなれませんから。だいたい、ジャンプの主人公ってのは大抵がバカでしょう?