梅田 望夫・茂木 健一郎-「フューチャリスト宣言」

この間、内分泌の授業で「負のフィードバック」と「正のフィードバック」について習ったんですけど、この"フューチャリスト宣言"を読みながら、「ああ、梅田さんや茂木さんのような"フューチャリスト"は正のフィードバックで生きてるんだな」というようなことを思ってました。

つまり、インスリンで血糖値が下がったら、もっとインスリンを分泌するのが正のフィードバック、逆にグルカゴンを分泌して下がりすぎた血糖値を元に戻そうとするのが負のフィードバックってわけです。まあ、この例からもわかるとおり、内分泌ってのはほとんどが負のフィードバックなんです。そりゃあ、インスリンを分泌し続けたら低血糖で死んでしまいますからね。生体は、負のフィードバックでホメオスタシス(生体内恒常性)を保ってるわけですよ。ただ、女性の排卵においては例外的に正のフィードバックが働くそうで、これは非常に興味深いメタファー(隠喩)になってると思うんです。

つまり、「創造的なことは正のフィードバックで起こる」。これですよ。俺なんかはこの「正のフィードバックの感覚」ってのが、よくわかりますね。曲作ってる時や写真撮ってる時なんか、時間を忘れて、キ○ガイのようにやってますから。そう、このキ○ガイってのが、この本の中で言われてる"狂気"なのでしょう。「Googleの創業者は"狂気"を持っていた」みたいな。それは例えば、キャプテン翼大空翼が言った、「(俺は)バカはバカでも、サッカーバカだ!」と同じで、そういう狂気を心の中に持ってないと、一流にはなれないんだと思います。

また、そう考えると、"フューチャリスト"、"狂気"、"正のフィードバック"みたいなものが、いろんな人から批判されるのもわかりますよね。彼らからしてみれば、社会のホメオスタシスみたいなものが壊される気がするから、拒否反応を示してしまうんでしょう。で、客観的な分析はここまでにしておいて、ここからは俺の主観的な意見を言います。俺は、「みんな、もっとキ○ガイになって、夢を見ようよ!」こう思ってます、正直言って。アホですみません、って感じですけど。

でも、この前、「皆さん、もう1度東京オリンピックの夢を見ませんか?」と言って、石原さんが都知事に再選されたじゃないですか。そういうのを見てて、世間の人たちの中にある"狂気"が、発散されたがってる
ように感じるんですよ。それをなんとか、いい形で表現できたらいいですよね。オリンピックでも、Webでもいいから。というか、TV見てたりして思うんですけど、なんか、「今のこの世の中は狂っている」みたいなのがトレンドじゃないですか。でも、ホントにそうですかね?

俺は写真撮りに観光地みたいなところによく行きますけど、そんな感じは全くしませんよ?微笑ましい家族連れは沢山いるし、幸せそうな老夫婦とかも沢山います。それに、「ゆとり教育世代はバカ」みたいな文脈も流行ってるけど、それもわからないじゃないですか。詰め込み教育世代には理解できないような長所が実はあって、あの世代が数十年後に大活躍するかもしれませんよ?

あと、環境問題についてもそう。なんか、産業革命前の美しい地球を0と考えて、人間があれから-100くらい環境指数を落としたみたいに思ってますよね。そして、車に乗る時も、なんとなく罪悪感を感じてたり。そうじゃなくて、今の地球環境を0として、これからプラスにしていこうって考えた方がいいんじゃないですか?例えば、今までレジ袋を貰ってたのを、Myレジ袋を持参するようになったら、「お、地球環境に1チャリン貢献できたぞ」みたいに思った方が、毎日が楽しいじゃないですか。「あーあー、今日も30kmも車に乗っちまったぜ」って思うより。

つまり、何が言いたいかというと、今を"つまんない"と思って生きてるヤツは一生"つまんない"人生を送る、ってのと同じように、現代を悲観してるヤツは未来永劫世の中を悲観するんだと思うんです。だから、「今がダメだと考えないで、もっともっと良くなっていこうよ」。「正のフィードバックでいこうぜ」。この感覚が、"フューチャリスト宣言"を読んで俺が感じたことなんです。